Sumsung SSD 840 120GBを使い潰す(後編)
前編と中編
負荷内容の振り返り
前編の 消耗させる
の項で描いた通り、 dd
コマンドで1周約111GB
及びfioコマンドで1テスト辺り10GB、シーケンシャル、ランダムそれぞれでRead,Write、及び
シーケンシャルでのreadとwriteミックスIOの5テスト、計50GBで総計約160GBの書き込みが発生します
テスト周回数とIOPSの劣化
まずはグラフをご覧ください
横軸がテストの周回数です。周回数 * 160GBがテストのでの総書き込み数になります
右軸の青線がSMARTによる Wear Leveling Count
左軸の他四色の線がそれぞれのSeq/RandのRead/Writeのfioスコアになります
fioの設定については前編をご覧ください
見所は以下のポイントになります
- 各ベンチマークのスコアは基本的には安定している
Wear Leveling Count
はの減り方は書き込み量と反比例で安定しており急激に死ぬことはない- Write系は
Wear Leveling Count
35, Read系は同カウント3で一気に劣化する - 劣化の傾向は同一だがSeqに比べRandomのReadは劣化後の値が安定しなくなる
グラフを作成したデータは下記のスプレッドシートを参照してください
まとめと評価
繰り返しになりますがSumsung SSD 840 120GB に対してのテストの結果
それもddでzero書き込みによる消耗が中心となる一般用途とは異なる消耗のため
全てのSSDで同じような傾向が出るわけではありません。
コントローラの特性やファームウェアでのセッティング、MLC/TLCの違い等々
ちょっとしたことで違う結果になると思われます。
あくまでこの結果はSSD消耗パターンの一事例として参考にしてもらえればと思います。
当初の想定では途中でWriteがもうちょっと大きく劣化すると予想していました。
結果は劣化幅は小さく25,000 IOPSを下回ることなくテストを終えました。
終盤Readが大幅に劣化したとはいえ、それでも最低限の速度は保っていたこともあり
個人的には通常利用では寿命の最後まで使い切れる優秀なSSDというイメージを持ちました。
寿命を使い潰した現在の状態からは使おうとは思いませんが、今お使いの方がおりましたら
是非とも残りカウント3%ぐらいまでは愛用してあげてください。
その他最新SSDでも同様のテストをやってみたいですが、給与明細を見て諦める日々が続いております
何かこのSSDを同じようにやってほしい等々のリクエストがあればコメントください。
おちんぎんで手が届きそうなら試してみます。きっと。たぶん。